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オリジナルアニメ制作の難しさ

「マチ★アソビ」神山健治監督トークショーまとめ(2/5)

攻殻機動隊の人気は神山監督ならではの現代性や社会性があったから。
しかし、出資者にはそうした魅力は企画段階では理解できず、かわいいキャラクターデザインやキャッチーなテーマなどが好まれ求められる。オリジナルアニメを製作するのが難しいのはそこの辺りで、最初からオリジナリティを出すと嫌悪感を持たれてしまう。

原作つきの「萌えアニメ」なら、数万人のファンがついてくる保証がありアニメ化されるが、オリジナルはそういう相手と勝負して行かなくてはならない。オリジナルで攻殻機動隊的な企画しても通らない理由はそこにある。

◆完全オリジナルの「東のエデン」はどうしたか

東のエデンは攻殻機動隊とまったく逆で、オリジナル作品を作ってほしいというリクエストだった。攻殻機動隊のような圧力はなく、むしろ好きにやって欲しいというオーダーだった。ただし、だからといって好きにやると怒られる。好きにやると「そういうのはテレビ向きじゃない」と、かえって攻殻機動隊より制限が多かった。

東のエデンに求められたものは「攻殻機動隊からミリタリー要素をのぞいて、女性にウケるような味つけをした上でエヴァ要素を注入し、『24』を入れたエンターテインメント作品」正直ムチャクチャ(笑)
しかも、先方は「攻殻機動隊を作ったあなただから頼んでいるんです」と力説する。

「ミリタリー要素の排除」という要求は女性に受けやすくするため。
OLさんがテレビを見ている時に一番チャンネルを変えやすい要素がミリタリーで、普通の刑事ドラマでもピストルを出した瞬間にチャンネルを変えてしまうという統計上の数字が出ているという。

「タチコマは人気がありましたよ」と言うと、「タチコマは戦車じゃないんで。むしろペットロボットはどんどん出して下さい」と言われてしまった。なので「OLさんも大好きな携帯だったらどうですか?」と提案したら、「携帯はみんな大好きです、24時間いじっていますからね。では、携帯を主人公にしてください」ということになった。

◆オリジナル企画の作りこみ

「東のエデン」は攻殻機動隊の面白さの50%くらいを放棄せざるを得ない中で企画を作った。
携帯電話を使ったゲームのような物でかつ攻殻機動隊的な要素を、というオーダーに応えていくには、原作がない分、原作にあたる部分を作るのに半年くらいかかった。

「東のエデン」は羽海野チカ先生にデザインしていただいたキャラクターの存在が大きかった。アニメを見るにあたっては監督の存在というのも大きい。

  挙手による会場へのアンケート
  ・監督で選んでアニメ見ますか?(会場の3~4割が挙手)
  ・キャラで選んで見る人は?(会場の5~6割が挙手)
  ・声優さんで選んで見る人は?(会場の6割以上が挙手)

◆原作モノとオリジナルモノの差

プロデューサーやスタッフを中心に自分たちが今言いたいことと、お客さんに喜んでもらう切り口の一致のために、半年~1年かけて練っていくがそれでも時間が足りない。
原作モノは、連載してる段階でファンの目にさらされながら作品の強度をあげているが、オリジナルは半年で作った試し打ちもしていない作品を出していく。
「オリジナル物の方がおもしろくない」という意見が出るのはそこにある。

半年しか時間がない中で原作ものを超えないとオリジナルは成功しない。そうなると、売れた前例のある作品に似た内容にしていくこともある。

オリジナルアニメの作り込み度合いは、1話で提示された謎や設定などが2話でどれくらい説明されているかで分かる。

「作りたいこと」「お客さんの嗜好」「ビジネス」をすべて成立させるためには、それこそ1年くらい考えなくてはならない。

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