作品に大事なこと
スタジオジブリ制作秘話まとめ(5/8)
スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫のインタビューより
鈴木と宮崎で決めたジブリ作品に大事な3つのこと
1。「面白い」
2。「少しくらい言いたいこと言っていいかな」
メッセージやテーマを先行させる場合もあるが。
3。「お金をもうけよう」
商業映画なので、そうでないと次の作品が作れない。
ジブリ作品というと、テーマがしっかりしているとか、伝えたいメッセージがあるとかよく言われるがメッセージで映画は見ない。
『となりのトトロ』も「人間と自然を描いたテーマ性がすばらしい」など高く評価されているが、メッセージやテーマを考えていたわけじゃない。
どんなことを考えて作っていたかというと「トトロのお腹は押したらへっこむか」ということ。
メイがトトロのお腹で跳ねるシーン、これを描けるアニメーターはほとんどいない。
トトロは線で描いてみると非常に単純。その単純な絵で、「お腹を押したらへっこみそう」に描くのは本当に難しい。
そういうシーンをどれだけ設定できるかが大事で、高畑勲や宮崎駿の優れているのはその官能性。
触った感触が伝わってくるように描けるかどうかがアニメーターにとって重要。
本当に優れたものは大雑把に描いてあり、いかに少ない線である感じを出せるか、ここがポイント。